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憎めない恋敵 前編

皆さんこんにちは☆

誰もキリ番踏んでくれない~っと嘆いていたら
踏んでくれていましたぁ(≧∇≦)

み*さんっ!!(名前出していいのか解らなかったので伏せ字にしてみました)
本当にありがとうございます☆

んで、リクエストを窺ったところ
『モテモテの郁ちゃんに嫉妬する教官』
でもって最後はR(笑)との事でしたので早速書いてみました~(*^o^*)

前、中、後編ぐらいでお届けしたいと思いま~す♪
ですので連載は暫くお休みしちゃいますね~!!

では、リクをくれたみ*さんに捧げます☆


この作品には年齢制限はありません。
それではご覧下さい。




最近、郁と館内警備をしていて気付いた事がある。

巡回中、郁にひっきりなしに声が掛かる。

女子供には絶大な人気がある郁である訳でだからそれなりに声を掛けられる事は
今までにも多々あった。

でも、今の状況は尋常では無い。

女子供だけでは無く、若い男からも親しげに声を掛けられる。
それも一人だけとかでは無く何人も何人も――。

その中の何人かは確実に郁を狙っていると見ていて解る。

利用者だからと何も言う事の出来ない不甲斐ない自分。
そして、それにさっぱり気付かない鈍感な郁。

堂上の苛立ちは日を追う毎に募り、もう爆発寸前の所まで来ていた。





「笠原さんっ!ちょっとレファレンスして欲しいんだけどっ!!」

郁は返事をする前に堂上を横目で窺った。

近頃、館内警備中の堂上は不機嫌面が デフォルトだ。
何かをした覚えも無く何故そうなのか郁にはさっぱり解らなかった。

そして今も結局、不機嫌面のまま手振りだけで、行けと促された。

「すみません。直ぐに戻ります。」

ペコリと頭を下げて利用者の元に駆けて行く郁を堂上は複雑な心境で見送った。

一人になった堂上は、はぁぁっと大きく溜め息を吐いた。

今日はもう何度溜め息を吐いたのか解らない。
郁に男が寄ってくる毎だからもう5、6回ぐらいか・・・

そんな事を考えながらも郁からは目を離さない。

自分では無い他の誰かに笑顔で対応する郁。
そんな郁の姿に苦々しい想いが沸き起こり、それを噛み殺すように自分の拳を固く握り締めた。

必死に堪えているのに、そこで逆撫でするような笑い声が耳に入る。

声のする方向に目を向けるとそこには言わずとも知れた同僚と部下の姿があって
堂上の仏頂面に更に拍車掛かった。

いつもいつも、どこから湧いて出るんだっ!

ジロッと二人を睨むと申し訳なさそうに顔を背ける手塚とは対照的に
小牧は腹を抱えて笑いだした。

「どっ堂上っ!凄い顔してるよっ!大変だね~。 」

笑いながら息も絶え絶えに言われてもからかわれてるとしか思えない。

「煩いっ!!この顔は元々だからほっとけっ!」

そう返せば小牧の笑いは止まるどころか益々酷くなる。

「元々って・・くっ・・・あははははっっ」

もう何を言っても無駄なのでほっとく事にした。

ふと手塚に目を向けると険しい表情で郁の居る方を凝視していた。
何かやらかしたかと思い、再び郁に目線を移すとその光景に目を疑った。

レファレンスを申し出たさっきの男が前のめりになった郁の腹部を抱えるようにして支えている。
まるで抱きしめるようにして・・・

目を擦り何度も確認するが状況は変わってはくれなかった。

郁の元に行こうと足を一歩前に出すと小牧に腕で制止させられた。
先程まで笑っていたとは思えない真剣な顔つきで堂上を見据える。

「堂上、行ってどうするの?今のはしょうがないよ。俺も見てたけど転びそうになった笠原さんをあの人が助けてくれただけだよ。気持ちは解るけどそんな顔してちゃこのまま送り出せないよ。 」

殴りつけてやるって顔してるよ――。

そんな気持ちが無かったとは、嘘でも言えない。
頭に血が昇っていたのは事実だ。

「・・・すまん。もう大丈夫だ。取り敢えず礼を言って笠原を連れ戻してくる。」
「解った。大丈夫だとは思うけど穏便にね。」
「ああ、解ってる」

小牧にそう返事をして郁の元にゆっくりと向かった。

郁の元に着く頃にはもう二人の体勢は整えられていて、郁が何度と無く頭を下げて謝っていた。

堂上は郁の腕を掴み一歩下がらせ、利用者の前に進み出た。

「部下が失礼をしました。怪我などありませんか?」
「あっ!はい。大丈夫です。俺よりも笠原さんに怪我が無くて良かったです。」

爽やかにそう言ってのける この青年は、郁よりも背が高く性格も良さそうだ。
ただの女目当てという訳では無いらしい。

恐らくさっき言った事も本心なんだろう。

「本当にご迷惑をかけてすみません。部下には十分指導しておきますから。」

それを後ろで聞いていた郁はビクッとすくむ。

堂上の後ろにいるので堂上は勿論気付かないが青年はそれに気付き、プッと噴き出した。

「??・・・どうかしましたか?」
「いやっ!何でも無いです。あの・・・あんまり怒らないであげて下さい。高い所の本を取ろうとしただけですから。自分で取ればいいのに笠原さんに頼んでしまって・・・俺も悪かったんです。」

そう言われてしまえばそれを無下にする訳にもいかず堂上は渋々解りましたと
青年の言葉を受け入れた。

ホッとしたように笑う青年の目線が郁に向けられている。

そういう事か・・・・。

「笠原っ!!!」
「はいっ!!」

咄嗟に返事は返ってきたものの、堂上が呼びながら振り向くと弛んだ顔の郁と目が合った。

そんな顔で他の男を見るなっ!
思わず出そうになった言葉を顔を下に向けて、ぐっと飲み込む。

そして何とか飲み込んだところで顔を上げて郁の頭を叩き、いつもの怒号を浴びせる。

「もう一度きちんと謝罪しろっ!!」

敬礼付きで返事をした郁は青年に深々と頭を下げ、謝罪した。

いいよ、いいよと身振りで郁を制止する青年に堂上がもう一度頭を下げる。

「こんな事になって申し訳ありませんが、今日はまだ他の業務もありますので
失礼させていただきます。」

行くぞっ!笠原っっ!!

踵を反す堂上の後ろで郁はもう一度丁寧に頭を下げて、堂上の後を追い掛けた。








というわけで~す!!恋敵の青年をいい人にしてみましたぁ(^O^)
いい人だと困っちゃいますよね~!!
邪険にも出来ず、郁ちゃんも無駄に仲良くしちゃったりして(ノ△T)

教官はもう、悶々(表現が違うか?)としまくりますっ!!
郁ちゃんやっもう少し教官の事考えてあげてね~(>_<)
でないと最後が大変よっ(≧∇≦)

ってな感じで明日に続きま~す☆
皆さんお楽しみに~♪


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